猫とヤモリ

【ハンター】やもり

夏の時期になると我が家の風物詩として見られるのが、「窓に貼り付くヤモリ」である。
夏の羽虫がよく飛ぶ時期になると、必ずといって良いほど夜、キッチンやリビングの窓にヤモリが貼り付いているのを見かける。
ヤモリの目的は、窓から漏れる光に釣られて集まってきている羽虫をパクっと行くこと。
言わば罠の前で待ち受けるハンターが夏のヤモリである。

ちなみに窓はしっかり透明なので、貼り付いているヤモリの腹や張り付くための手足の吸盤がよく見えている。
むしろ顔が見えないので私のヤモリのイメージは白い腹と喉と顎である。

さらなる視線

で、私も見かけると割合凝視してしまうヤモリだが、私以上にヤモリに熱視線を送るのが愛猫のムーである。

狩りや遊びが大好きなメインクーンとしては、窓に張り付くヤモリウォッチは欠かせない日課らしく、毎日飽きもせずにヤモリの一挙一動を眺めている。
窓に貼り付くヤモリは基本的に待ちの姿勢であり、自分の顔の近くに来た羽虫だけを捕食しているようである。
すなわち、あんまり動かないのだが、それでも愛猫の視線は外れない。
何が一体そこまでの魅力を放っているのかと思うのだが、やはりこれは本能や習性に属する行動なのだろうと思う。

ヤモリについて調べてみるとわかるのだが、天敵は「猫」となっている。
ヤモリ(家守)という名前から連想できるように、ヤモリは昔から人の住居の近くに生息する爬虫類であり、やはり昔から灯火に集まる昆虫などをむしゃむしゃしていたのだろう。
と言うことは、やはり昔から人家に住む猫と遭遇する機会も多いわけで、その時は猫にむしゃむしゃされることになる。
これは両者の生息地域と力関係から必然的に出てくる結末なわけで、なるほどヤモリの天敵に猫の名前が挙がってくるわけである。
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そしておそらく、人と暮らす猫の側にも「ヤモリは餌、若しくはおもちゃ」という認識が遺伝子レベルで刻み込まれて受け継がれてきたのだろう。
故に愛猫の眼はヤモリから離れないのではないだろうか。

ちなみに、ムーは見つめるだけではなく、窓の向こうのヤモリにぺたぺたと前脚を当ててアプローチもしている。
幸か不幸かガラスに阻まれて届くことは無いが、それでも飽きずにぺたぺたやっているあたり、習性からくるヤモリ欲求は抑えがたいものが有るのだろう。
飼い主としては「ヤモリよりも私を見てよ!」と言いたくなる場面だが、やはり本能とは尊重するべきものなので、こっちに構ってくれるのをじっと待って熱視線を送るのである。